めまいの患者さんは複数の医療機関を受診する傾向があります。一般の方はめまいは内科で扱う病気と考えています。大学病院などのめまい専門外来は耳鼻科に付属しています。めまいの専門医とは誰なのでしょう。「初診のめまい患者を何科が診るべきか」の質問に対し、内科医・脳外科医 は耳鼻科と答え、耳鼻科医は内科と答えています。このように診療する側にもめまいに対する混乱があるのです.
めまいの6割は内耳半規管の異常、耳の病気が原因でおこりますので、めまいの診療は耳鼻科医が行うことになります。耳鼻咽喉科専門医制度には日本耳鼻咽喉科学会認定耳鼻咽喉科専門医があります。この制度では耳鼻咽喉科専門研修施設において4年以上の専門領域研修を修了した後、専門医認定試験に合格した者が専門医となります。2016年8月現在8542名の耳鼻咽喉科専門医が登録されています。研修過程でめまい診療の研修が義務づけれれており耳鼻咽喉科専門医はめまいのプライマリケアを担当します。
めまいには耳鼻咽喉科、神経内科、脳神経外科、さらには精神科などの専門領域での診断が必要となる多彩な病態が関与しています。これら様々な病態に的確に対応するのがめまい専門医です。日本めまい平衡医学会認定めまい相談医はめまい診療の経験が6年を超え、学会主催の講習会受講の後修了試験に合格した者でめまい専門診療の第一腺で活躍する医師です。2016年9月現在513名めまい相談医が登録されています。また、日本めまい平衡医学会には専門会員制度があります。専門会員はめまい平衡医学に関連した8年以上の研究歴があり、学会発表が10編以上、関連した論文10編以上の実績があり、学会審査を経て認定されます。めまい診療に従事すると同時にめまい診療研究を発展させるめまいに関するエキスパートです。2016年9月現在175名の専門会員が登録されています。
当院院長は耳鼻咽喉科専門医であり、めまい相談医、めまい学会専門会員です。めまい診療のスペシャリストとしてめまい診療に従事しています。
耳鳴りは難聴に伴って起こることが多く、耳鼻咽喉科専門医が中心となって診療することがほとんどです。しかし、耳鳴りは治りにくいと考える耳鼻科医も多く、あまり積極的に治療が行われてこなかったのが現状です。
治療する側が考える耳鳴りが治りにくい要因
耳鳴りを訴えて耳鼻咽喉科を受診される患者さんには二つのタイプがあります。
コミュニケーションは治療な有力なツール 耳鳴りの治療には様々なものがありますが、最も大切なことが患者さんと医師のコミュニケーションです。患者さんと医師が手を携えて一つ一つの治療法を一歩一歩行い耳鳴りの苦痛を和らげることが耳鳴りの治療と考えてください。耳鳴り患者さんときちんとしたコミュニケーションができる医師こそが耳鳴りの専門医と言えそうです。