小林耳鼻咽喉科内科クリニック
小林耳鼻咽喉科内科クリニックサージセンター短期滞在手術について

めまい・耳鳴りの診療をお受けになる前に

3つのめまい診療の理念

▸ 第1の理念 めまいの適切な初期診療

数多いめまいの原因となる病気を初診時に的確に診断することが大切です。特に脳血管障害によるめまいは頻度が5%程度とはいえ迅速な診断治療が不可欠です。小林耳鼻咽喉科内科クリニックでは神経内科専門医と連携して脳血管障害によるめまい診療の充実を図っています。

▸ 第2の理念 めまいの高度な専門診療

メニエール病や発作性頭位めまいなど耳の病気で起こるめまいには専門的な治療が必要で、めまい専門医の力量が最も発揮される分野です。めまいの治療には薬物療法・理学療法・手術療法などがあり、小林耳鼻咽喉科内科クリニックではすべての治療を万全の体制で行っています。

▸ 第3の理念 慢性めまいの綜合的診療

慢性のめまいは原因が複雑で多くの医療機関で治療に苦慮しています。小林耳鼻咽喉科内科クリニックではこのようなめまいの診断と治療を的確に行っています。薬物療法だけでなく理学療法・心身医学療法など独自の綜合的診療プログラムを行っています。

めまいに関する3つの誤解

▸ 第1の誤解 めまいは頭の病気で起こる

めまいの半数以上が耳の病気が原因であり、脳の病気で起こるめまいは5%程度で頻度の高いものではありません。多くの方は、めまいが起こるとそれは頭の中の病気で起こったと考えるのですが、めまいの大半は耳の病気で起こります。

▸ 第2の誤解 めまいといえばメニエール病

めまいが起こるとすぐにメニエール病と診断されることは誤りです。メニエール病の頻度は10%程度です。めまいは体のバランスを保つ仕組みの異常により起こります。めまいを引き起こすメカニズムは複雑でめまいの原因はさまざまです。

▸ 第3の誤解 めまいの専門医はだれか

めまいの患者さんは複数の医療機関を受診する傾向があります。一般の方はめまいは内科で扱う病気と考えています。大学病院などのめまい専門外来は耳鼻科に付属しています。めまいの専門医とは誰なのでしょう。「初診のめまい患者を何科が診るべきか」の質問に対し、内科医・脳外科医 は耳鼻科と答え、耳鼻科医は内科と答えています。このように診療する側にもめまいに対する混乱があるのです

耳鳴り患者さんの診察から得られる3つの事実

▸ 事実1 他の事に集中していると耳鳴りが気にならない

他の事に集中していると耳鳴りが気にならないのは脳が意識下で音の選択を行っているからです。  

私たちの周りは音で満たされています。耳は働き者でそれらの音をすべて電気信号に変え脳に伝えます。しかし私たちは伝わってきたすべての音の電気信号を知覚するわけではありません。脳は意識下で音を選択し必要な音だけを知覚認識しています。この仕組みは音の判断機構と呼ばれています。脳が同時に処理できる情報量には限界があり、脳は優先順位の高いものを処理し、不必要なことは意識下で自動的に処理する特性があります。なにかに集中すると脳はそのことを処理することを優先させ、耳鳴りは音の判断機構で自動的に処理され耳鳴りが知覚されなくなるのです。この仕組みをうまく利用すると耳鳴りを知覚しないことが可能になります。ここに耳鳴りの治療のひとつめの鍵がありそうです。

▸ 事実2 イライラ・不安・ストレスが耳鳴りを大きくする。

イライラすると耳鳴りが大きく感じるようになるのは大脳辺縁系の働きによるものです。

音の判断機構は大脳辺縁系の海馬と呼ばれる部位にあると考えられています。海馬は記憶の中枢で、私たちは過去の記憶をもとに音の判断をしています。大脳辺縁系は同時に感情の中枢でもあります。耳鳴りに対する音の判断が大脳辺縁系を介してイライラや不安などの感情を生み出します。逆にイライラ・ストレスは大脳辺縁系を介して音の判断機構に影響を与え耳鳴りを大きく感じさせるようになります。耳鳴りが不快なものに感じるのは大脳辺縁系の働きと深く関係しています。大脳辺縁系の働きをコントロールすることが耳鳴りの治療のふたつめの鍵です。

▸ 事実3 人によって耳鳴りの気になり方に差がある。

耳鳴りの気になり方に個人差があるのは大脳辺縁系が心身の相関に深くかかわっているからです。

記憶と感情の中枢である大脳辺縁系は自律神経系の中枢と深く関係しています。このため私たちは過去の出来事を思い出し(記憶)、腹を立て(感情)、心臓がどきどきする(自律神経症状)のです。大脳辺縁系は心(記憶・感情)と体(自律神経系)の相関に深くかかわっています。記憶や感情に個人差があるのは当然のことです。また自律神経系の働きにも個人差があることも知られています。気質・体質・性格の違いということもできます。このため大脳辺縁系が重要な役割を果たす耳鳴りの症状発現が患者さん一人一人で異なってくるのです。

耳鳴り理論

▸ 新しい耳鳴り理論1

新しい耳鳴り理論1

内耳は音を電気信号に変換し大脳皮質へ伝えます(図のA)。しかし、すべての音を知覚認識するわけではありません(図のB)。  

この現象には音の判断機構が深く関係しています。音の判断機構が必要でない音(Neutral)と判断すると意識下で音が処理され、音は大脳皮質に到達しません。  

音の判断機構は記憶の中枢である大脳辺縁系と連携し(図のD)、過去の記憶をもとに伝わってきた音を処理します。必要な音(Positive)と判断すると音は大脳皮質へ伝わり知覚認識されます。必要でない音(Neutral)と判断すると音は大脳皮質へ伝わらず知覚認識されません。

▸ 新しい耳鳴り理論2

新しい耳鳴り理論2

耳鳴りの場合、聴こえの仕組みの中に耳鳴発生機構が存在します。ここから耳鳴り信号が発生します。
この信号は聴こえの神経経路を伝わることになります。このとき音の判断機構が耳鳴りを未知な音危険な音・不快な音(Negarive)と判断すると音は増幅され大脳皮質に伝わることになります。耳鳴りの患者さんが耳鳴りを大きく感じる時にはこのような現象が起きていると推測されています。

▸ 新しい耳鳴り理論3

新しい耳鳴り理論3

音の判断機構は大脳辺縁系と連携して音の処理を行っています。(図のD)辺縁系は記憶以外に情動(感情)を作り出す中枢です。
耳鳴りがNegativeと判断されると辺縁系で情動のスイッチが入り不安・苛立ち・緊張などの感情が起こることになります。 耳鳴りが強いとイライラしたりするのはこのためです。
大脳辺縁系は自律神経系の中枢である視床下部と深いつながりがあります(図のE)。
耳鳴りが強くなると大脳辺縁系を介して視床下部に働き、動悸・冷汗・息切れなどの自律神経症状が起こります。
逆にイライラや自律神経症状が起こると大脳辺縁系を介して音の判断機構に影響し耳鳴りが大きくなるということがおこります。

▸ 新しい耳鳴り理論4

新しい耳鳴り理論4

耳鳴りの理論に基づいた治療を考えると
①耳鳴り信号を音の判断機構がNeutralと判断するようにし耳鳴りを和らげる
②大脳辺縁系の働きを調節し不安・苛立ち・緊張などの情動反応を和らげる
③自律神経系の反応をコントロールする
が重要であると推測されます。